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東方 魔理沙×アリス 「季節の変わり目」

「ねぇ、魔理沙」


「ん、なんだ、アリス」


いつものようにアリスが魔理沙の家に遊びに来ている。


「そろそろストーブつけない?冷えてきたし」


そう言って、アリスが本から視線を魔理沙に移す。


「んーそうだな」


魔理沙は聞き流しているようにしか見えない。


本に集中していて立ち上がろうともしない。


「はぁ…」


ため息をつきながら、アリスがストーブの方に歩いていく。


魔理沙の家のストーブは魔法仕掛けのものだ。


もう季節は秋から冬に変わろうとしている。


夕方になると、家の中でも冷え込んでくる。


アリスも一応ストーブを扱う魔法を知っている。


「お、ありがとな、アリス」


室内が暖まってきたところで魔理沙が気づく。


「どういたしまして…」


アリスが椅子に腰掛けながら言う。


もう慣れてしまってため息も出てこないようだ。


「お、そういえば…」


「ん?」


そのまま魔理沙は本の世界に戻っていくというアリスの予想は外れた。


魔理沙は本にしおりを挟んで閉じ、アリスはその珍しい行動に視線を向ける。


「こたつを出してあるんだった」


「ふぅん…」


室内は十分暖かくなっている。


「二階なんだが、行くか」


「わたしはこっちでいいわ」


「ん、そうか」


そっけない反応のアリスに対して、魔理沙も気にしていないといった表情で本を持って立ち上がる。


近くの灯りをつけてから、魔理沙は階段を登っていった。


本に向かっていたアリスの視線が、一瞬だけその方向を向いた。


すぐに文章の方に戻る。


しかし、本をちゃんと見ているわけではないようだ。


時折、階段の方を気にしているかのように視線を泳がせている。


しばらくして、ページもめくられなくなった。


静かな部屋に、がたっという音が響く。


本を閉じて、二階に向かって歩き出す。


頬が少し赤いのは暑いからではなさそうだ。


一歩一歩、ゆっくりと上っていく。


「入るわよ」


ノックなしで部屋に入っていく。


魔理沙もそんなことは普段から気にしてない。


「お、アリスもこたつ派だよな」


「そういうのじゃないわよ」


本を読まずに寝転んでる魔理沙が笑顔で振り向く。


「まったくだらしないわよ」


アリスの注意は耳には入らないらしい。


目を閉じて、大きくのびをする。


アリスもそれ以上は何も言わず、こたつに入る。


隣ではなく、向かいに座る。


肘をついて魔理沙の方を見る。


寝息は聞こえこない。


まだ時間が早いからか、魔理沙はすぐに寝たりはしない。


「アリス」


「な、なに、魔理沙っ」


じっと見ていることに気づかれたのかと思ったのか、アリスの声が上ずっている。


「アリスもこっちにこいよ」


「今日は、え、遠慮しておくわ」


顔が再び赤くなってくる。


「遠慮するなって、アリス」


「二人とも寝たら誰が夕飯を作るの?」


アリスがぱっと思いついたであろう言葉を口にする。


「あ、そうか」


魔理沙はごく普通の反応をする。


今日はアリスが作り置きしたものがあるのに気づいていない。


「はぁ…」


アリスから残念そうなため息が出てくる。


「それじゃぁできたら言ってくれ、おやすみ、アリス」


「え、ちょっと…もう、魔理沙ったら」


アリスは完全に調子が狂わされている。


普段の夕飯を取る時間まではまだ時間がある。


完全にアリスは手持ち無沙汰になっている。


本は下の階においてきていて、ここには読みたいものもない。


ただ、ぼうっと魔理沙の方を眺めている。


だんだんうとうとし始め、目を細めていく。


「ん、いけない…」


そう自分に言い聞かせてまばたきをする。


「おーい、アリスー」


突然、魔理沙の方から声が聞こえてくる。


「え、なに?」


アリスは少し驚いている。


「アリスもこっちに来いよ〜」


なんとも気の抜けた声がしてくる。


アリスが魔理沙を覗き込む。


「寝言…ね…」


魔理沙は目を閉じたまま寝転んだままだ。


アリスは小さな溜息をついて元の場所に戻る。


しかし、先ほどまでの眠たそうな表情とは違って、何かそわそわしているように見える。


座ったかと思うと、1分ほどで立ち上がって歩き始めた。


「い、いいのよね…」


自分になのか、魔理沙になのかはわからないが確認を取る。


起こさないように、そっと布団を上げて座り込む。


ゆっくりと、魔理沙の隣に横になる。


魔理沙は、アリスに背を向ける格好になっている。


先ほどまで紅潮していたアリスの頬も、正面に魔理沙がいないからか少し和らいでいる。


少しして、アリスも目を閉じて眠りにつこうとする。


「ん〜」


アリスが目を閉じた瞬間、魔理沙が気持ちよさそうな声とともにアリスの方を向く。


「あれ…」


ワンテンポ遅れてアリスがそのことに気づく。


アリスの目に映っていたはずの魔理沙の髪が、魔理沙の顔になっていた。


はっきりと認識してから、アリスは目を見開いたままでいる。


眠気は完全に吹き飛んでいるようだ。


「アリスー」


寝ているのか、起きていてわざとやっているのかはわからないが、アリスに抱きついてくる。


アリスは何か声を出そうとして口をぱくぱくさせている。


寝ているとは思えないほどアリスを強く抱きしめ、とても心地よさそうな表情をしている。


魔理沙が目を覚ますまで、アリスは眠れずに顔を赤くしたまま動けないでいた。




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東方 魔理沙×アリス 「息」


「まーりーさー」


扉を隔てた外から声が聞こえてくる。


もちろん、それに答える声は聞こえてこない。


いつものことだ。


アリスが午前中に来ても魔理沙は寝ているのが常である。


それかいないかである。


扉に鍵はなく、誰でも彼女の家に入れる。


アリスはたいした用がなければ入らずに帰ることが多い。


しかし、今日は魔理沙に会って話をしたいようだ。


片手に本を2冊ほど持っている。


「入るわよー」


扉を開くとほこりが舞ってくる。


「まったく、いつになったらちゃんと掃除されるのかしら」


手をぱたぱたとさせながらアリスが入ってくる。


「魔理沙、寝てるの?」


少し大きな声で呼びかける。


この一声で魔理沙が目覚め、眠そうな顔でベッドから起き上がるのが日常である。


「魔理沙〜」


起きた時の音が聞こえてこないからか、もう一度呼びかける。


「あれ?」


アリスが首をかしげる。


魔理沙の気配も感じられない。


しかし、扉の隣には箒がたてかけてあり、出かけてはいないようだ。


「勝手に見てるわよ」


そう言って1階の書斎に入っていく。


アリスが一応整理した本棚から本を取り出していく。


2日前に整理したはずが、すでに散らかり始めている。


「えっと…」


持ってきた本と取り出した本を照らし合わせて調べ始める。


しばらくアリスの調べ物が続く。


「さてと…」


ぱたんという音を出して本を閉じる。


「そろそろ起きたらどう、魔理沙?」


2階で寝ている魔理沙に呼びかける。


よほど起きたくないのか、相変わらず返事は返ってこない。


「まったく、何時だと思ってるのよ」


アリスが来てからすでに3時間たっている。


「入るわよ」


一応一声かけてから寝室に入る。


魔理沙はベッドにくるまっていた。


わざとそうしているように見えなくもないし、自然とそうなったようにも見える。


「はぁ…」


ため息をつきながらアリスが近づいていく。


「まーりーさー」


はっきりと聞こえるように、耳元で呼びかける。


しかし、魔理沙は動こうともしない。


アリスは腕を組んでじっと起きるのを待っている。


「ん…?」


2分ほどたって何かに気づいたようだ。


魔理沙の寝息が聞こえてこない。


息を潜めているにしても、そのかすかな音も聞こえてこない。


はっとなったアリスがベッドを手にとって剥ぎ取る。


魔理沙は安らかな顔で寝ていた。


とても気持ちよさそうな表情をしている。


その様子に目もくれず、すぐにアリスは魔理沙の顔に耳を近づける。


「……う…そ…でしょ」


アリスはやっと気づいたようだ。


魔理沙は呼吸をしていない。


その場でアリスは固まったまま動こうとしない。


いわゆる外の世界で言うところの無呼吸症候群でもない。


しばらくたっても、魔理沙からは何の音も聞こえてこない。


次は胸に耳をあてる。


アリスの表情は凍り付いている。


「…う……そ……」


同じ言葉を繰り返す。


「うそ、よね……」


しばらく、アリスは同じ姿勢でいた。


ゆっくりと魔理沙から離れ、元の姿勢に戻る。


すぐにその場に膝をついて崩れ落ちる。


ベッドに寄りかかるように手をかける。


魔理沙はまったく動こうとしない。


アリスの瞳からは涙は出ていない。


立ち上がって部屋を出ようとする。


ふらふらとしていて足取りはたしかでない。


目の前の現実から逃げていくようだ。


「夢、これは夢よね…」


うつろな目で部屋を出て階段を下りていく。


いつ転んで落ちるかわからないほど危なっかしい。


アリスが来たのは、1階の書斎。


1冊の本に手をかける。


その指、手全体が震えている。


分厚い本で、背表紙には何も書いていない。


両手でその本を持って、1枚1枚ページをめくっていく。


小さい文字がびっしりと書いてある。


ところどころに人間の図が入っていて医学書のように見える。


しかし、上に書いてある章には「蘇生」という文字が書いてある。


普通の本のようには見えない。


めくっていくと魔方陣の図があるページも出てきた。


アリスの目は少し前と違い、明らかに血走っている。


「ここじゃない…」


背を丸めて本にかじりついている。


「ここでもない…」


ページをめくるスピードが少しずつ速くなっていく。


5分しかたっていないのに、50ページ近くをめくっていた。


ぽたっという音ともに涙が本に落ちた。


「あれ…」


ページをめくる手が止まる。


アリスの目がまた虚ろなものに戻る。


そのままゆっくりと本に突っ伏す。


「これは、夢よね…」


しばらくして出てきた言葉は、本を読む前の時と同じような言葉だった。


涙でできる滲みが広がっていく。


それまで少しずつ出てきていた涙が、堰を切ったように溢れ出くる。


「夢……」


目を閉じてもアリスの涙は止まらない。


ずいぶんと長い間、アリスはそのままでいた。


あたりはすっかり暗くなっている。


元々明かりがほとんど入ってこない書斎は真っ暗と言っていい。


「あれ…」


アリスが何かの音に気づいて起き上がる。


あたりを見渡すが、何も見えない。


「だーれだっ」


「ふぇっ!?」


突然後ろから触れられて、アリスが変な声を出す。


「ま、まりさっ!?」


ひときわ大きな声を出して振り返る。


魔理沙が横に回って明かりをつける。


「どうした、そんなに驚いて?」


アリスの目の前にいるのはいつもの魔理沙だ。


普段なら冷静に返しているアリスが、驚いていることを不思議がっている。


「ま、まり…さ…」


魔理沙を目の前にして、アリスがまた泣き出す。


今度は絶望した時のとは違うものである。


「おい、どうしたんだよ、アリス…」


突然泣き出したアリスに戸惑っている。


「魔理沙の馬鹿…」


うつむいたまま、涙をぽろぽろと流す。


「何かわからんがすまん…」


横からそっとアリスを抱き寄せる。


アリスが落ち着くまで、1時間ほどかかった。


「ねぇ、魔理沙」


「何だ…?」


魔理沙の胸の中から声を出す。


「さっき息をしてなかったのって」


「あぁ、ちょっとした実験だぜ」


魔理沙はいつものことのように答える。


「魔理沙のばかっ…」

東方三月精 魔理沙×サニー 「召使い」1

「おっ」


魔理沙が、道の先に何かを見つける。


アリスの家からの帰り道で、もうあたりは暗くなっている。


「これはまた珍しいな…」


魔理沙の視線の先には一匹の妖精。


すぐにそれが誰かもわかって、にやつき始める。


「うぅ…」


「よっ」


かがみこみ、魔理沙が話しかける。


「んん…?」


「どうした、こんなところで?」


「わっ、魔理沙さんっ?!」


突然話しかけられたサニーは驚いている。


しかし、飛び上がって驚いたりはできない。


「妖怪にでもやられたのか?」


「うぅ、その通りです…」


情けなさそうな、諦めにも似た表情をしている。


どうやら立ち上がれないようだ。


「うちに来るか?」


「えっ、いいんですか?」


そう言い終える前に、魔理沙がひょいとサニーの体を担ぎ上げる。


「ま、魔理沙さんっ?!」


「ほら、遠慮するなって」


いつもの調子で魔理沙は家に帰っていった。








「あのぅ…」


「ん、どうした?」


サニーが魔理沙を見上げるように話しかける。


「本当にいいんでしょうか?」


「何がだ?」


「そ、その…」


サニーは申し訳なさそうな顔をしている。


「そうだなぁ…」


魔理沙はサニーの言いたいことを読み取ったのか、勝手に何か考え込んでいる。


「えっと、魔理沙さん?」


今度は何かを恐れているかのような表情に変わる。


魔理沙が突拍子もないことを言うのは普通のことだ。


「わたしの嫁にならないか?」


「へっ?」


あまりにも突飛すぎてサニーは口を開けてそう言うしかなかった。


予想の範囲から外れすぎていたようだ。


「ま、魔理沙さん?」


「あぁ、冗談だ、冗談」


サニーは完全についていけていない。


「こんなこと言ったら嫁に何を言われるかわからんな」


「あの、奥さんというのは…?」


その質問に魔理沙が意外そうな顔をしたかと思うと、また何か考え始めた。


「誰か当てられたら、お礼とかはいらないぜ」


「ほ、本当ですか?」


「あぁ、いいぜ」


サニーはしばし考える。


「えっと、霊夢ですか?」


恐る恐るサニーが答えを言う。


魔理沙はすぐに答えない。


「ほう、そうきたか…」


「えっ」


そう言われて、すぐにサニーは外れたことに気づく。


「そうだなぁ、一週間私の召使いになってくれ」


「め、召使い!?」


間髪いれずにきた要求とその内容にサニーは驚き、戸惑う。


「召使いが不満なら、ペットでもいいんだぜ」


「そ、それはちょっと…」


すでに手綱を握られている。


「よし、それじゃぁ決まりだな」


「は、はい…」


話し終えた魔理沙が立ち上がって別の部屋に行こうとする。


「そうそう、言い忘れてたんだが」


「なんでしょう?」


ドアノブに手をかけた魔理沙が振り返る。


「一応家には結界がはってあるから出られないぜ」


「は、はぁ…」


逃げる気力もないサニーはため息をつくしかない。


どこかへ行こうとしていた魔理沙が戻ってくる。


「それじゃぁ、風呂にでも入るか」


「え、あ、はい…」


サニーを引っ張って風呂場に向かう。


「ほら、脱いだ脱いだ」


「わっ」


自分から脱ごうとしていたサニーの服を手早く脱がせていく。


自動的に沸くようになっているのか、風呂には既に温かい湯が入っていた。


「それじゃぁ頼んだぜ」


「…あ、はい」


何を頼まれたのかもすぐに察したようだ。


魔理沙が座り込み、サニーがタオルを持つ。


「おぉ、気持ちいいぜ」


背中から洗い始め、前の方にもタオルを動かしていく。


「あぁ、そうだ…」


「なんですか?」


すっかり従順な召使いになりきっている。


「指は、口で洗ってくれ」


「へ…」


サニーの目が点になる。


「あの、魔理沙さん?」


さすがにこれにはついていけないようだ。


「みんなそうしてるだろ?」


魔理沙はさも当然といった顔をしている。


さしずめアリスにそうさせているのだろう。


魔理沙は黙って何も言わずに待っている。


一方のサニーは、どうしようか迷っているようだ。


しばらくして、魔理沙の前に移動する。


目を閉じて、おそるおそる魔理沙の指に口を近づけていく。


「んっ」


その感触に魔理沙が小さく声を出す。


人差し指の先を、ついばむように咥える。


最初は動かなかったが、ゆっくりと口の奥にまで入れていく。


右に、左にと舌が動いていく。


魔理沙は満足げな顔でその様子を見ている。


二本目の指の時には、時より淫猥な音が聞こえてくるようになる。


表情が恍惚としていき、魔理沙の顔が悦びのものへと変わっていく。


すぐに慣れたサニーが、ゆっくりとひとつひとつの指を咥えていく。


咥えて、少し角度を変えたりと丹念に「洗って」いく。


時より上目遣いに魔理沙を見るたびに視線が合う。


そんなことを十本分繰り返していった。


「いやぁ、よかったぜ」


サニーは何も答えない。


終わった後になって恥ずかしさがこみ上げてきたようだ。


「本当に召使いになってもいいんだぜ」


「…か、考えておきます…」


少しだけ考えたサニーはそう答えた。

東方 魔理沙×アリス 「読書」

「な、なんだアリス?」


魔理沙が何かに気づき、本に集中していた目線をあげる。


「ん?なんでもないわよ、魔理沙」


気づいたのはアリスの視線だった。


向かいに座って、アリスが頬杖をついてじっと、魔理沙の方を見つめている。


「読んでるんでしょ、私のことは気にしないで」


「あ、あぁ…」


紅茶を一口だけ喉に流し込んでから再び本に向かう。


どうにも調子が崩されているように見える。


一方のアリスは、何やら楽しそうに魔理沙を見ている。


気にしまいと思えども、視線を感じて紙をめくるのがいつもより遅い。


2分ほどたって、魔理沙はやっと落ち着きを取り戻しはじめた。


しかし、そうはいかないようだ。


アリスが音を出さないように立ち上がる。


本に集中し始めている魔理沙は気づくはずがない。


慣れたような足取りで、ゆっくりと後ろまでくる。


「ねぇ、魔理沙…」


「ひゃっ」


普段なら出さないような声を出して魔理沙が反応する。


「な、なんだアリス?」


「どうしたの魔理沙、そんなに驚いちゃって」


慌てている魔理沙とは正反対に、アリスは楽しんでいるような表情をしている。


「どど、どうしたもこうしたも…」


アリスの顔がせまってきていて余計に魔理沙はあわてている。


「ねぇ、何の本読んでるの?」


たて続けに質問をしていく。


「べ、別に何読んでたっていいだろう」


隠すように、魔理沙が体を逆の方向に向ける。


「ふーん、そう…」


もう満足したのか、いったんアリスが離れて元の場所に戻る。


それに魔理沙もほっとしたような表情をして、再び本に向かう。


しかし、アリスは相変わらず魔理沙をじっと見つめたままだ。


とは言え、魔理沙も気にしていない。


「ねぇ…」


「なんだ、アリス」


魔理沙の反応はいつものそっけない返事だった。


「本読んでる魔理沙ってかわいいわね」


「なっ!」


そっけない態度だったのが一変する。


アリスは覗き込むように、机に顔をのせて見ている。


顔を真っ赤にしている様子を見て口元を緩ませている。


「今日はもう寝るぜ」


本に栞をはさんだ魔理沙が椅子から立ち上がる。


「あら、ずいぶん早いのね」


つられるようにアリスも立ち上がり、その動きを察知した魔理沙が振り返る。


「どうしたの、魔理沙?」


アリスの言葉に他意はないように聞こえる。


「な、なんでもないぜ」


「ねぇ、最近一緒に寝てないわよね」


歩き始めた魔理沙がまた止まる。


「あ、あぁ…あんまり帰れてないし、帰るのが朝とかだしな」


魔理沙が理由をそのまま言う。


「冷たいじゃない、魔理沙…」


「なんでそうなるんだよ…」


アリスはそんなことを聞きたいわけではなさそうだ。


「好きにしてくれ…」


恥ずかしそうに、魔理沙はそう言って寝室のドアを開けた。

東方 魔理沙×アリス「裸」

「起きなさい、魔理沙!」


ついさっきまで寝ていたベッドの前でアリスが怒鳴る。


「ん〜」


魔理沙はなんとか寝床を守ろうと粘ろうとしている。


「もう少し寝させてくれよ、アリス」


ベッドの布地に手をつけようとした瞬間、魔理沙が引っ張って取られまいとする。


そのまま丸々ように自分の体に巻きつける。


「まーりーさー」


日常茶飯事とは言え、今日は掃除の日だからか少し怒っている。


「明日でいいじゃないか…今日は寝させてくれ」


中から気だるそうな声が聞こえてくる。


なんとかなるだろうと普段の経験から考えているが、アリスは容赦しない。


上海、蓬莱の助けをかりて魔理沙を半ば無理やり外に出す。


「さぁ、着替えなさい、魔理沙」


「う〜」


まだ寝たりなさそうな顔でベッドから降りる。


「アリスが着替えさせてくれ…」


寝巻きから着替えるのもだるいようだ。


「じ、自分でしなさい…まったく…」


少しだけ、アリスが顔を赤くする。


大きなあくびをしながら魔理沙が着替え、アリスは作っておいた朝食を取りに行く。


今の調子だと歩いて移動するのも嫌がるだろうと察したようだ。


「はい、魔理沙」


「あぁ、ありがとう…」


一口一口、ゆっくりとスープを口に運んでいく。


食べ終えたらまた眠りについてしまいそうだ。


アリスの説教のような話を聞き流しながら魔理沙は朝食を食べていく。


「ごちそうさま、今日もおいしかったぜ」


「おそまつさま、じゃぁ早速…」


皿洗いは上海に任せて、魔理沙の手を取って連れて行こうとする。


「あぁ、それなんだが」


「なに?」


魔理沙が嘘の類の話をしている時の顔に切り替わったのを見て、アリスの顔も変わる。


その手には乗らないわよと言っているようだ。


「今回は分担を変えてみないか?」


「ん?別にいいけど」


魔理沙の言ったことが意外だったのか、アリスの目が点になる。


しかし、すぐに怪しむような顔に戻る。


魔理沙は笑顔を向けるが、それが余計に怪しい。


「それじゃぁ、はじめましょう」


少しばかりたって、別にいいかと思ったアリスが後ろを向く。


「おう、今日はいつもと逆な」


そう言って魔理沙も掃除に行った。








「あれ?」


アリスが何かに気づいたようだ。


自分の部屋で何かを探している。


「どうしたアリス?」


横になっている魔理沙が起き上がってその様子を見る。


顔が少しにやついているのが見て取れる。


今日はアリスの部屋のベッドで寝ることになっている。


すでに魔理沙は寝間着に着替えている。


「ない…」


「いつものネグリジェが?」


魔理沙がすぐに答える。


「う、うん…」


振り向いた時には魔理沙の笑みは消えて、普通に戻っていた。


「どうしたんだろう…」


少し考えればわかるものだが、今日は疲れているからかアリスの頭は回らない。


そう言って、他のところを探そうとする。


「アリスっ」


「なに、魔理沙 心当たりでもあるの?」


魔理沙が出て行こうとするアリスを引き止める。


「べつにいいじゃないか」


何がいいのかは言わない。


いつものニヤニヤしている時の顔に戻る。


「何がいいのよ」


アリスは魔理沙の表情から意味を汲み取れず、釈然としない顔をしている。


「今日はそのまま寝ればいいじゃないか、アリス」


「そのままって…」


まだ魔理沙が何を言いたいのかわかっていないようだ。


「ほら、アリス」


「ちょっと、何!?」


そう言って、ぐいぐいとアリスをベッドまで引っ張っていく。


アリスを座らせ、魔理沙も隣に座る。


そうしたかと思うと、次にアリスの服をつかんで脱がせようとしはじめる。


「まま、まりさっ?」


まったく考えていなかったことに、アリスは混乱しきっている。


「いいだろ、たまには」


「た、たまにはって、何よ?」


アリスがあわてふためいている間に、さっさと服を脱がせた魔理沙も自分の着ていたものを脱いでいく。


その様子を、アリスは自分の体を手で隠すようにして見ている。


脱がされるのはよほど恥ずかしかったのだろう。


顔は真っ赤になっている。


寝巻きを脱いだかと思うと、魔理沙はすぐにベッドに入ってアリスを引っ張り込む。


アリスは何も言わずに横に引き寄せられる。


「こうやって寝るのは、はじめてだったか?」


いつものからかう時の顔で、魔理沙がさらっと言う。


それに対してもアリスは何も言葉を返さない。


魔理沙は反応が聞きたかったようだ。


何も言ってこないのに対して、少しつまらなそうな顔をする。


そう見えたのもつかの間、少しだけ離れていた二人の距離が一気に縮まる。


「きゃっ」


魔理沙が自分の体に密着させるように、アリスを抱き寄せる。


「明日からこうするか?」


「えっ…」


いつもなら反射的にいやと言うところだが、アリスは自分の胸の動悸のせいで何も返せない。


むしろ、魔理沙の提案を真に受けてしまっているようにも聞こえる。


「おやすみ、アリス」


あえて答えは聞かずにそう言う。


アリスも黙って魔理沙の胸の中で目を閉じた。
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