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リリカルなのはvivid アインハルト×ヴィヴィオ 「プレゼント」




「あ、アインハルトさん」


「ヴィヴィオさん」


学校が終わった放課後。


二人とも用事があると言って別に帰ったのだが、二人はある店の前でばったりと会った。


「用事って」


「同じお店だったんですね」


二人が入ろうとしているのは、小さい雑貨店。


街の中心から離れたところにある古風な店だ。


中には二、三人ほど先客がいる。


「入りましょう」


「あ、はい」


ヴィヴィオがアインハルトの手を引いて店に入っていく。


「あ、これ可愛い」


小さいキーホルダーを手に取りながらヴィヴィオが目を輝かせている。


「可愛いですね」


側に寄っていってキーホルダーを見つめる。


「うーん…」


「どうしたんですか?」


つい先程まで瞳を輝かせていたヴィヴィオが、何か悩んでいる。


アインハルトはごく自然に聞く。


「あ、な、なんでもないんです」


突然慌てたようにヴィヴィオが誤魔化す。


「はぁ」


アインハルトはなんのことやらという顔をしている。


「あ、これ、アインハルトさんに似合うと思いますよ」


そう言って、近くにあったリボンを手に取る。


この店はいろいろな物が所狭しと置いてあって思わぬものとの出会いがあるようだ。


ヴィヴィオが持っているのは赤い、小さいリボンだ。


「そ、そうですか?」


「ほら、似合ってますよ」


手近にあった商品の鏡を見ながら、アインハルトの髪にそえる。


「わ、私は、その…」


鏡に写った自分の姿を見ながら、恥ずかしそうに視線を下にそらす。


「アインハルトさん、ちゃんと見てください」


ヴィヴィオにせがまれては見ざるをえない。


強引さは母親譲りだ。


「あ、ヴィヴィオさん、こっちに」


「なんですか?」


ちらっと横を見てからヴィヴィオに声をかける。


視線の先には同じようなリボンがあった。


少し大きめで、こちらの色は青い。


手にとって、ヴィヴィオと同じことをする。


「ヴィヴィオさんに似合うと思いますよ」


「え、そ、そうですか?」


いざ自分が勧められるとヴィヴィオも少し恥ずかしそうにしているが、こちらは素直に嬉しそうな顔をしている。


「ヴィヴィオさん、失礼します…」


「えっ?」


ごくごく自然な感じで、アインハルトがヴィヴィオのリボンを両方解いていく。


突然のことに、ヴィヴィオは固まってしまう。


もう一度、アインハルトがリボンが似合うかどうかを確認する。


「これ、買ってきますね」


「え、あの…」


アインハルトはさっさと会計の方に歩いていく。


それにヴィヴィオもついていく。


もちろん、片手にはさきほどのリボンが握られていた。








会計を済ませた二人は、にすぐに店を出た。


「それじゃぁ、帰りましょう」


「あ、はい」


その後、二人はたいして会話もせずに帰り道を歩いていた。


リオやコロナが見たらさぞ不思議そうな顔をしたことだろう。


「あ、アインハルトさん」


「な、なんですか?」


やっとのことで口を開いたのはヴィヴィオだった。


しかし、アインハルトの方を向く動きも口もぎこちない。


「ちょっと公園に寄ってきませんか」


「いいですよ」


アインハルトは落ち着きを取り戻しつつある。


ヴィヴィオは対照的にまだ戻っていない。


「あっ」


アインハルトの手を取ってひっぱっていく。


「ちょっと座りましょう」


「えぇ」


少し戸惑いながらも、アインハルトはヴィヴィオが指差すベンチへ腰をおろした。


ふぅとヴィヴィオはため息を一息ついてから座る。


「あの、ヴィヴィオさん」


「あ、は、はいっ」


座ってすぐに話しかけられたのは、落ち着こうとしたヴィヴィオにとっては不意打ちだった。


「さっき買ったものなんですが」


「はい」


ヴィヴィオは緊張し始めたのか、アインハルトの方を向く動きがぎこちない。


「よかったらもらってくれませんか?」


「えっと…」


ヴィヴィオはすぐにはいと言わない。


「会って、その…一ヶ月の記念に」


「あ、ありがとうございます」


ぎこちない動作で、ヴィヴィオが受け取る。


「それじゃぁ、私からも」


「ヴィヴィオさん、ありがとうございます」


こちらは落ち着き払って受け取る。


「それと、ヴィヴィオさん」


「はい」


受け取ったのもつかの間、アインハルトがすぐに話しかけてくる。


「え、あの…」


すぐにアインハルトが顔を近づけてくる。


ヴィヴィオはどうすることもできない。


チュッ


頬に軽く口付けをする。


「こういう習慣があると聞いたのですが」


「え、え?」


した当人も顔を赤くしている。


された側はもっと赤い。


「ヴィヴィオさんのお母様から聞いたのですが…」


「え、ど、どっち?」


ヴィヴィオはやっと思考が追いついたのか、その母親の名前を問いただす。


「フェイトさんからです」


「そ、そうなんだ…」


ヴィヴィオは余計に混乱していく。


「あの、イヤでしたか?」


「い、いやじゃないです…その、えっと…」


ヴィヴィオが下を向いて恥ずかしがっている。


「それじゃぁ、もう一度」


今度は頬ではなく、唇の方にせまっていく。


ヴィヴィオは動こうとせず、一瞬逡巡したがすぐに目を閉じた。


さきほどよりも少しだけ長いキスだった。


「ヴィヴィオさん…」


いったん離れ、ヴィヴィオの頬に手を当ててじっと見つめてくる。


ヴィヴィオはまた目を閉じざるを得なかった。

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リリカルなのはStrikers フェイト×キャロ 「抱擁」



「ただいま、ヴィヴィオ」


「おかえり、フェイトママ」


六課のいつもの風景。


仕事から帰ってきたフェイトをヴィヴィオが廊下で待って迎える。


「あ、キャロ」


「フェイトさん、お仕事終わりですか?」


報告書か何かの書類を抱えているキャロが通りかかった。


「キャロこそどうしたの?」


「あ、はい、提出し忘れた書類があって…」


「いってらっしゃい」


「いってきます」


キャロは急ぎ足で隊舎の方へ行く。


「フェイトママ、ぎゅってして」


「はい、ヴィヴィオ」


仕事に行くキャロを横目にヴィヴィオが抱き上げられる。


この親子ではいつもの風景だ。


キャロはその光景をちらっと、ではなく五、六秒ほどぼうっと見てから歩き始めた。


「あれ、キャロ?」


「あ、なのはさん」


仕事を終えたもう一方の母親がもどってくる。


「提出し忘れ?」


「あ、はい…」


すぐに持っているものからキャロが何をしようとしているのかを当てる。


恥ずかしそうにキャロがみとめる。


「キャロ、元気なさそうだけど大丈夫?」


「え、そ、そんなことないですよ」


今は激務でもなく、疲労もたまらない程度の訓練しかしていない。


「そう、ならいいんだけど」


その声が聞こえてるのかいないのか、キャロは駆け足で隊舎へ向かった。











次の日の昼間。


午前の訓練が終わってフォワードのメンバーは休憩を取っている。


「お疲れ様、キャロ」


「あ、お疲れ様です。」


昨日のことが気になっているのか、なのはが座っているキャロに話しかける。


「キャロ、元気ないね」


「え、そんなことないですよ」


無理に笑っているのが手に取るようにわかる。


「悩み事、あるんでしょ?」


「は、はい」


お見通しのようで、キャロも素直にうなずく。


「何に悩んでるのか、当てちゃってもいい?」


「え?」


もう十中八九わかってるかのような口ぶりだ。


「ずばり、フェイトちゃんのことでしょ」


「そ、そうです」


簡単に当てられたのに驚いているのか、キャロは目をぱちくりしながらなのはを見上げる。


「んー悩んでることは…」


「なのはさん、その…恥ずかしいので…」


「ヴィヴィオみたく甘えたいとか?」


確信を持ってなのはが指をさしながら言う。


「は、はい」


キャロの頬がだんだん朱色に染まっていく。


うつむきながらキャロが観念したように言う。


「だって、フェイトちゃん」


「ふぇっ?!」


なのはが振り返り、キャロがその方向に視線を向ける。


「ごめん、キャロ」


「フェ、フェイトさん」


キャロの顔が前以上に紅潮していく。


「恥ずかしがらなくてもいいんだよ、キャロ」


「え、で、でも」


そう言って、そそくさとなのはは退散していく。


周りにはもう人はほとんどいない。


少なくとも二人の視界には誰も入っていない。


「おいで、キャロ」


フェイトがしゃがんで両手を伸ばしてくる。


距離にして五メートルほどだ。


しかし、キャロはなかなか動こうとしない。


緊張と羞恥心があいまってその場で固まってしまっている。


「どうしたの、キャロ?」


満面の笑みでおいでとフェイトが手を伸ばしている。


ゆっくりと一歩一歩、キャロが足を進めていく。


「フェイトさんっ」


最後の一歩のところは、ほとんど飛び込むような格好になっていた。


「キャロもまだまだ甘えん坊さんなんだから」


フェイトが軽く、ヴィヴィオの時のように抱き上げる。


「もう仕事だから、少しだけね」


「はい、フェイトさん」


つかの間の安らぎの時間。


二人は落ち着いた、幸せそうな表情をしている。


ほんの三分ほどの抱擁だった。


「あの、フェイトさん」


「なに、キャロ?」


そっと下ろされてから、キャロが言いにくそうに口を開ける。


「また、明日もいいですか?」


「うん、いいよ」


キャロの顔がぱあっと明るくなる。


「それじゃぁ、仕事に戻ろっか」


「はい、フェイトさん」


二人は皆より少し遅く仕事に戻っていった。


リリカルなのはA's なのは×フェイト 「指ちゅぱ」



「フェイトちゃんの手って綺麗だよね」


宿題を前にしていたなのはが手を止めて唐突に言う。


「え、そ、そう?」


「うん、すごく綺麗だよ」


褒められて、フェイトはまんざらでもなさそうだ。


「ねぇ、フェイトちゃん」


「なに、なのは?」


鉛筆から手を離して、なのはが身を乗り出す。


そのまま、ノートの上にのっていたフェイトの手を掴む。


もちろん、フェイトは驚きこそすれ、拒否などしない。


「ちょっと、いいかな」


「うん、なのは」


何がいいのかも伝えていない。


しかし、なのはのいい?にはフェイトはイエスとしか答えない。


回答はすぐにきたが、肝心のなのはは何もしようとしない。


フェイトの片手を掴んだまま、じっと緊張したかのように動かない。


「なのは?」


「あ、あのね」


珍しく、なのはの方が恥ずかしがっている。


一方のフェイトはごくごく自然な、普通通りの表情をしている。


「なんだか緊張しちゃうね」


「え、そ、そう?」


そう言いながら、なのはがゆっくりとフェイトの手を自分の顔に近づけていく。


やっと、フェイトの顔も少しずつだが赤くなってきた。


ゆっくりと、なのはがフェイトの指先を口に近づけていく。


舌先で、フェイトの人差し指をちろっと舐める。


「あっ…」


それにフェイトも声をだして反応する。


二人とも、顔が今までで一番紅潮している。


「フェイトちゃん、ドキドキしてる?」


「う、うん」


顔をそらしながら小さな声で答える。


なのはがおそるおそる伸ばした舌先が震えながらフェイトの指先に触れる。


「あっ」


小さな声でそのわずかな感触にフェイトが反応して肩をびくっと動かす。


「なのは」


「なに…フェイトちゃん…」


フェイトは緊張し、なのはの顔は少し熱があるようにぼうっとしている。


「な、なんでもない」


「そう…」


フェイトは何か言おうとしたが顔をそらして何も言おうとしない。


「フェイトちゃん、いいかな?」


「えっ」


チュプ


その声を発した時には既にフェイトの指先は、なのはの口腔の中だった。


フェイトは石のように固まって動かない。


吸いつくように小さな指を自分の中で味わう。


目を閉じ、ゆっくりと舌を上下に動かす。


フェイトもその感触に瞼を下ろし始める。


なのはが一旦止めて上目遣いに見上げた。


フェイトが息をのみこんだ。


今、胸に手をあてれば心臓の鼓動がはっきりと伝わってくるだろう。


「フェイトちゃん」


「なに、なのは?」


少しだけ間を置いてからなのはが口を開ける。


「おいしいよ、フェイトちゃん」


「え、う、うん…」


フェイトは短く言葉を返す。


くすっとなのはが笑ったかと思うと、今度は人差し指だけでなく、中指も味わいはじめる。


口の中に入れずに舌で下から舐め上げていく。


その感触にフェイトの意識は少しずつ薄らいでいく。


フェイトの目の焦点が合わなくなり始めたあたりでなのはは止めて口を離す。


フェイトの意識は数秒で戻ってきた。


「ねぇ、なのは」


「なに、フェイトちゃん?」


フェイトが恐る恐る声を出す。


「わたしも、いい?」


「フェイトちゃん、どうしたらいいのかはっきり言わないとわからないよ」


いじわるをして喜んでいる時のものに変わっていた。


「えっと、なのはの…」


「なに、フェイトちゃん」


満面の笑みでフェイトの言葉を待つ。


「わたしも、なのはの指を舐めたい」


「はい、どうぞっ」


よくできましたとばかりにフェイトに人差し指を出す。


両手でしっかりと手首を掴み、顔を近づけていく。


「んっ…」


フェイトの舌が触れて、なのはが反応する。


さきほどのように音はたてない。


舌先で軽く触れて離れたりを繰り返している。


なのはにとってはこれがいいようだ。


「フェイトちゃん、気持ちいいよ」


「う、うん…」


一旦口を離して上目遣いになのはを見る。


「フェイトちゃん、もっと、して…」


「うん、なのは」


そう請われて、すぐに指先を口に含む。


夢中で、だがゆっくりと味わっていく。


幸せそうな顔をしながら、なのはの意識は薄らいでいった。


リリカルなのはA's なのは×フェイト 「弱点」



「ねぇ、フェイトちゃん」


「何、なのは?」


いつもの、放課後の二人きりの時間。


今日は高町家だ。


「フェイトちゃんの弱点ってどこ?」


「え、弱点?」


唐突なことに、フェイトはきょとんとしている。


「どうしたの、なのは?」


「うーんとね」


一呼吸置いてなのはが続ける。


「フェイトちゃんってね、かっこいいし、勉強もできるし、運動神経もね」


「う、うん」


ストレートに褒められて、フェイトは照れている。


「うーん」


なのはがフェイトに近づいてくる。


「フェイトちゃん、目瞑ってくれる」


「う、うん」


なのはの言うことを素直に聞く。


フッ


目を瞑ってすぐ、近づいていたなのはが耳元で息を吹きかける。


「ヒヤッ!な、なのは!」


思わずフェイトが大きな声を出す。


「だーめ、フェイトちゃん目閉じてて」


「ご、ごめん」


目の前にせまっているなのはに言われて、また素直にその通りにする。


「うーん」


「ねぇ、なのは」


なのはは何か悩んでいるようだ。


「なのは」


「なに、フェイトちゃん?」


真剣に何か考え込んでいたのか、二言目で気づく。


「もう目あけていい?」


「だーめ」


言うことを予想していたのか、即答だった。


「こっちはどうかな?」


「えっ」


その一言にフェイトが反応して身構える。


しかし、フェイトの神経はなかなか触れられた感覚を伝えてこない。


「ヒャッ!!」


さきほどと同じ声だが今度はひときわ高い。


「な、なのはっ」


フェイトが身をよじらせているが、なのはは容赦しない。


フェイトを後ろから抱きしめるようにして脇をくすぐっている。


「フェイトちゃん、ここも弱いみたいだねっ」


「な、なのはっ、いやっ」


フェイトは目を瞑ったまま必死にもがいているが、なのはの拘束は解けない。


その反応をなのはは笑顔で見ている。


「フェイトちゃん、本当にいや?」


「う…、い、イヤじゃないかも」


一瞬なのはの攻撃がゆるんだところで、フェイトがゆっくりと振り返る。


「フェイトちゃん、目開けちゃだめだよ」


しかし、相変わらずなのはは容赦ない。


「もう、フェイトちゃん仕方ないんだから…」


そう言って、ポケットに入れていたアイマスクを手際よくフェイトにかける。


「な、なのは」


「どうしたの、フェイトちゃん?」


「な、なんでもない」


「フェイトちゃんにはおしおきだねっ」


そう言ってフェイトを離して立ち上がる。


なのはが離れて、安心したのもつかの間。


フェイトはなのはがなかなか来ないからか、そわそわし始める。


「フェイトちゃん、お待たせ」


「うん」


フェイトがその声に身構える。


なのはが今度持っているのは、絵で使う筆だ。


「まずは…」


フェイトの手を取って手の平に筆の先端を当てる。


ゆっくりと円を描くように動かしていく。


今度はフェイトは声を上げない。


「あれ、フェイトちゃん?」


かわりに肩を震わせて小さく反応している。


今までの反応と少し違うことに、なのはは少し首を傾げる。


「フェイトちゃん、どう?」


「ど、どうって…」


フェイトが言葉を探している。


手から今度は首筋へと場所を変える。


相変わらずフェイトは声を出さない。


そのかわり、フェイトの表情は嬉しそうなものに変わっていく。


「フェイトちゃん、気持ちいい?」


「う、うん」


「じゃぁ、毎日こうしてあげる」


なのはが耳元で囁くと、フェイトは黙ってうなずいた。



リリカルなのはA's なのは×フェイト 「大人」



「あれ…」


今日は日曜の朝。


なのはがベッドから起き上がる。


あれと言ったのは、彼女の隣が空いていたからだ。


「どうしたの、フェイトちゃん」


「あ、なのは」


ベッドから出ていたフェイトが振り返る。


「な、なんでもないよ」


とっさに出てきたのがその言葉だった。


「んー?」


目をこすりながら、なのはがフェイトに近づいていく。


明らかに何かを疑っているような目だ。


「フェイトちゃん、本当になんでもないの?」


少しずつ近づいてくるなのはにフェイトが一歩後ずさる。


カタッ


二歩目のところで何かが落ちた。


「あっ」


なのはがとっとっと近づいていってそれを手に取る。


「写真?」


なのはが手に取ったのは写真立て。


「あ、あのね、なのは…」


フェイトが何か言おうとしている。


それに対して、なのはは首をかしげている。


「フェイトちゃん、どうしたの?」


持っているのは高町家の写真。


なのはとフェイトの二人の写真ではない。


「えっとね、その…桃子さん綺麗だなって」


「えっと、フェイトちゃん…」


フェイトが素直にそう答えたのに対してなのははきょとんとしている。


「なのはも大人になったら桃子さんみたく素敵になるのかなって…」


「フェイトちゃんっ」


ぼうっとしていたなのはがその言葉にはっとなってフェイトを見つめる。


「ねぇ、なのは」


「なに、フェイトちゃんっ?」


「大きくなれる魔法って知ってる?」


「大きくなる、何が?」


なのはの目が再び点になる。


「大人になる魔法だよ」


「お、大人になるって…」


突然のことになのはは頭が追いついていけていない。


「ねぇ、なのは試しにやってみない?」


「え、えっと、危なくないの?」


「うん、大丈夫だよ、先に私がお手本を見せるね」


「う、うん」


 








変身は一瞬だった。


フェイトは当然、パジャマではなくバリアジャケットを着ている。


その様子をぼうっとしながら見ている。


「ど、どうかな?」


はじめてなのはに見せているからか、フェイトは恥ずかしそうにしている。


「ね、ねぇ、なのは…」


何も言ってこないなのはに、フェイトが余計に顔を赤らめて言葉を求める。


「フェイトちゃん」


「な、なに、なのは」


今度はなのはがフェイトの手をとる番だ。


「フェイトちゃん、結婚して」


「う、うん」


正直ななのはの言葉に、フェイトも素直に答える。


そのままじっと見つめあう。


「ねぇ、なのは」


「なに、フェイトちゃん」


「戻ってもいいかな」


「あ、うん、ごめんね」


ようやくフェイトが解放された。


おおよそ、十分ほど二人は見つめあっていた。


「今度はなのはの番だよ」


「うん、うまくできるかな」


そう言いながら、フェイトから教えてもらったとおりに詠唱していく。


光に包まれながら、フェイトと同じように大きくなっていく。


バリアジャケットはほとんど変わらない。


髪型もほぼ同じだが、少し伸ばしている。


「ど、どうかな、フェイトちゃん」


予想通り、フェイトはぼうっとしている。


「ねぇ、なのは」


「なに、フェイトちゃん」


「ちょっとお願い聞いてくれる?」


「うん、なに、フェイトちゃんっ」


フェイトが息を吸いながら、手をとる。


「お姫様抱っこしてくれる?」


「い、いいよ、フェイトちゃん」


大胆なフェイトの発言に驚きながらも、なのははそのお願いをすぐに叶えようとしてくれる。


ひょいっとフェイトを抱き上げる。


「なのはっ…」


間近に迫るなのはの顔にフェイトが緊張で顔を強張らせる。


「フェイトちゃん、今度は私のお願い、聞いてくれる?」


「なに、なのは?」


今度はなのはの番のようだ。


「キスして、いい?」


「う、うんっ」


同意する言葉を聞くと同時になのはがフェイトの唇をふさぐ。


一瞬だけのキスだった。


「はい、フェイトちゃんっ」


「ありがとう、なのは」


すぐにフェイトを下ろす。


「ねぇ、なのは、もうひとつだけいい?」


「なに、フェイトちゃん」


交互にお願いをしあっている。


「なのはママって呼んでいい?」


「えっ!?」


さすがにこれにはなのはもすぐに答えられない。


「じゃぁ、今日だけフェイトちゃんのママになってあげる。」


「なのはママっ」


再びフェイトが抱き上げられる。


二人の甘い1日が始まった。
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