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スイートプリキュア 響×奏 「妹 3」



冬コミで頒布した本の内容です。

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「お姉ちゃんっ」

「わっ」

響が後ろから抱きついてくる。

「なに、響?」

「ん?なんでもないよ」

明日の支度をしていた奏が振り返って言う。

「こうしたかっただけ」

「もうっ」

響は嬉しそうな顔をしながら奏にくっついている。

「お姉ちゃん、もう寝ようよ」

「え、まだ早いじゃない」

「えー」

「はぁ・・・」

少し疲れてきたのか奏がため息をつく。

「それじゃぁ、寝よっか」

「うんっお姉ちゃん」

奏が部屋の電気を消す。

響がべったりとくっついた状態でベッドへ向かう。

「おやすみ」

「おやすみ、お姉ちゃん」

二人とも、三十センチほどの距離を置いて寝ようとする。

「お姉ちゃん」

入ってすぐ、一分ほどで響が口を開く。

「なに?」

「そっちに行っていい?」

「うん、いいわよ」

もそもそと中で響が動く。

「もう、響は甘えん坊さんなんだから」

「えへへ」

そう言って奏にくっつく。

「お姉ちゃんあったかい」

「そう?響もあったかいね」

奏がぎゅっと響の体を抱きしめる。

響は奏の胸に顔をうずめる。

「ねぇ、お姉ちゃん」

「なに、響?」

ベッドの中から顔を出そうとする。

その動きを感じ取って奏も動きやすいように手を緩める。

「あのね…」

間近で二人が見つめ合う。

「おやすみの…」

「おやすみの?」

なかなか響が言いたいことを言おうとしない。

少し顔を赤くしているが、暗い中ではわからない。

「おやすみのチュー、して」

「え、う、うん」

奏も顔を赤くしてしまう。

響がすぐに目を閉じる。

チュッ

軽く頬にキスをする。

「お姉ちゃん」

「なに、響?」

直後に大きな声を出す。

「ほっぺじゃやだっ」

そう言って怒ったような表情をする。

「もう響ったら…」

奏の方はその反応に苦笑している。

「それじゃぁ…」

すぐに響が目を閉じる。

再び奏がゆっくりと顔を近づけて行く。

今度は音を立てずに唇を合わせる。

二人ともじっとそのまま動こうとしない。

動かずに長い間キスをしたままの状態でいた。

息をしようと響が離れる。

しかし、またすぐに奏が唇を塞ぐ。

二人がそれを交互に繰り返す。

「お姉ちゃん」

「なぁに、響?」

やっと長いキスの時間が終わった。

「もう眠いから寝る…」

目をこすりながら響が言う。

本当に眠そうな顔をしている。

「それじゃぁ、最後に」

チュ

そう言って奏の方から軽くキスをする。

「おやすみ、響」

「おやすみ、お姉ちゃん」

響はすぐに気持ち良さそうな顔で寝始めた。


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スイートプリキュア 響×奏 「妹 2」


冬コミで頒布した本の内容です。

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「ねぇ、お姉ちゃん」

「なに、響?」

机の上のノートに向かいながら奏が応える。

「宿題はいいから遊んでよ」

「だーめっ」

姉らしく妹にきっぱりと言う。

「響もちゃんとやりなさいよ」

「えー後でいいでしょ」

いつもの響らしい答えだ。

呼び方が違っているくらいで他はいつものやり取りとあまり変わらない。

響がいつものようにふてくされる。

立ち上がった響は近くのベッドに上がって奏の様子を見る。

しかし、奏はそちらの動きに全く感心を持っていない。

さっさと宿題を終わらせようとしている。

「もう、お姉ちゃんなんて知らないっ」

そう言ってふてくされた響はその場に寝転がる。

当然、奏とは逆の方を向いている。

じっとして動こうとしない。

一見寝ているようにも見える。

「さてと」

三十分ほどたって、奏が手を止めて立ち上がる。

宿題はもう済んだようだ。

「もう響ったら」

いつも言っている言葉が出る。

響が寝ているベッドに近づいていく。

「ひ、び、き」

奏が小さな声で呼びかける。

一応寝ていることも考慮に入れているようだ。

「終わったわよ」

奏の方からは響の表情は伺えない。

「ひびき?」

返事もせず、微動だにしない様子に奏が不審そうな顔をする。

ベッドに上がり、響の向いている側を見ようとする。

その瞬間、響が一瞬で振り返り奏をつかまえる。

「つかまえたっ、お姉ちゃん」

いきなりのことで奏は声を出せない。

「こ、こら、響」

「ん、なに?」

響は悪びれてないし、奏も本気で怒ってない。

「もうっ」

奏がぷいっと別の方向を向く。

構って欲しそうな顔を向けるがあえてそれに反応しない。

ニ十秒ほど、奏が黙っていた。

そろそろかと思ったのか、響の方をちらっと見ようとする。

「お、お姉ちゃん、怒ってる?」

その視線の先には少し涙目になっている響がいた。

「べ、別に怒ってないわよ」

響の方を見ながらぶっきらぼうに言う。

「ほ、本当?」

恐る恐る言う。

「本当よ」

奏が優しく言うと、ほっとしたのか響が抱きついてくる。

「じゃぁ、遊んでくれる?」

「いいわよ」

それを聞いた響の顔がぱぁっと明るくなる。

「でも、ちゃんと勉強もするのよ」

「は、はーい」

反省しているような、いないような声で応える。

「本当にやる?」

「う、うん、頑張る」

その反応に奏がため息を出しかけるがぐっとこらえた。

「それで、何がしたいの?」

「うーんとね」

遊ぶとは言っても何をしようかは考えていなかったようだ。

響が考え込み、奏がじっと待つ。

「そうだ、ごろごろしよう」

「ごろごろ、ね」

ちょうど二人はベッドの上だ。

「だめ?」

「だ、だめじゃないけど」

「お姉ちゃんっ」

聞いているのかいないのか、響ががばっと奏を正面から押し倒す。

「ちょっと、響!?」

奏の顔が少し赤くなる。

「お姉ちゃん、大好きっ」

響が覆い被さるような形に成っている。

「ねぇ、お姉ちゃん」

「なに?」

顔は響の方に向けずに返す。

よほど恥ずかしいのだろう。

「ちゅーしていい?」

「い、いいわよ」

チュッ

軽く、奏の頬にキスをする。

奏の顔が一気に真っ赤になる。

「あ、お姉ちゃん赤くなった」

「も、もう、からかわないでよ」

響は無邪気に笑い、奏は恥ずかしそうに目をそらす。

「お姉ちゃん、こっち向いて」

「えっ」

今度は唇にキスをする。

奏はすぐに目を閉じる。

二人ともじっと動こない。

しばらくして響の方から唇を離す。

「お姉ちゃんの唇、柔らかいね」

ぼうっとしている奏は何も言い返さない。

そのまま、奏の胸に顔をうずめるように抱きつく。

「お姉ちゃん、ぎゅってして」

「う、うん」

ようやく奏が声を出して応える。

「寝ちゃっていい?」

「もう、響はしかたないんだから」

横に寝転がってから再び奏に抱きつく。

「お姉ちゃん、大好き」

そう言って響はすぐに眠りについた。


スイートプリキュア 響×奏 「妹 1」


冬コミで頒布した本の内容です。

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「はぁー」

奏が大きなため息をつく。

「どうしたの、奏」

響が隣に座っている。

「え、ううん、なんでもないの」

「えぇ?本当ぅ?」

無意識についたため息だったのか、奏が慌てて取り繕う。

しかし、響には隠せない。

「ねぇ、奏」

「なんでもないのっ」

奏が立ち上がる。

「ほら、帰ろっ、響」

「えっ、奏?!」

いつもと違って奏が引っ張る側になる。

少しだけ急ぎ足で歩き、すぐにいつも通りに戻る。

「はぁ・・・」

また同じようなため息をつく。

それを聞いた響は何も聞いたりしない。

心配そうに横から奏を見る。

「妹が欲しいなぁ・・・」

「はぁ?」

思わず、その発言に響が大きな声を出す。

「えっ、なに、響?」

無意識に言っていたのか、奏がその反応に驚く。

「奏、さっきのため息って」

「ちょ、ちょっと待って、私、何か言ってたの?」

「うん、奏、妹が欲しいって」

奏が口をぱくぱくさせる。

「ねぇ、奏」

「響、何も言わないで」

慌てて奏が後ろを向く。

「あ、あのさ」

恥ずかしいのか、奏は振り向けない。

「奏、私が奏の妹になるっていうのはどうかな?」

「えっ?」

思わぬ申し出に、奏が瞬時に振り返る。

「ひ、響?」

「奏、妹が欲しいんでしょ?」

響はいたって普通にしている。

「う、うん」

恐る恐る奏がうなずく。

「私が奏の妹になってあげるよ」

「え、えぇぇ!?」

改めて響から同じ言葉を聞いて驚きの声を上げる。

都合よく、まわりには人がいない。

「えっと、その・・・」

気恥ずかしいのか戸惑っているのか、奏は次の言葉を出せないでいる。

「だ、ダメかな?」

響が奏の手を取りながら、遠慮がちに言う。

さすがに、これは効いたようだ。

「うん、じゃぁ響は私の妹ってことで・・・」

恐る恐る奏が言う。

「うん、奏お姉ちゃんっ」

対照的に、響は何も気にしていないようだ。

奏は再び顔を赤くし、響は嬉しそうな表情をしている。

「お姉ちゃんっ」

奏のことをそう呼びながら、腕を絡ませて体をすり寄せる。

完全に奏が動きを止めて固まった。

顔を紅潮させながら、響の方をちらっと見る。

「どうしたの、お姉ちゃん?」

ちょうど響の方を向いたタイミングだった。

奏の動きが完全に止まる。

「お姉ちゃん・・・?」

余計に奏を元の世界に戻せなくしている。

「もう、どうしたの?」

無理やり引っ張って行こうとする。

「はっ」

やっとこちらの世界に戻ってきたようだ。

「あっ、奏お姉ちゃん」

「な、なに、響?」

まだその呼ばれ方に慣れていないようだ。

奏が慌てて応える。

「なにって、いきなり動かなくなっちゃうんだもん」

「ご、ごめんごめん」

だんだん、奏も元の平常心に戻ってきている。

「それじゃぁ、うちに帰りましょう」

「うんっ」

響が嬉しそうに返事をする。

他の人から見れば、いつものように奏の家に遊びに行くだけだ。

奏は二人で「帰る」と言った。

ハートキャッチプリキュア つぼみ×えりか 「ネコミミ」


冬コミで頒布した本の内容です。

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「ねぇ、つぼみ」

「なんですか?」

雑誌を読んでいたつぼみが顔を上げる。

放課後、今日はえりかの家に来ている。

「?」

正面に立っているえりかは後ろに何かを持っているようだ。

えりかがにまーっとした笑顔になる。

「プレゼントあげる」

「え、な、なんですか?」

いきなりのことに、つぼみが驚く。

「いいからいいから」

「えぇ?」

今日は二人の何かの記念日でもない。

ごく普通の平日である。

訝しんでいるつぼみをえりかがせかす。

「早く開けてっ」

「はぁ...」

えりかは今にも自分が開けてしまいそうな勢いでせがむ。

相変わらず不審そうな目をしていたつぼみも、観念したのかラッピングを開けていく。

「いきなり、なんですか?」

その問いにえりかは何も答えようとしない。

ただにんまりと笑顔を向けていた。

「あの、えりか…」

「なに、つぼみ?」

つぼみが中に入っていたものを持ちながら言う。

「これは、な、なんですか?」

「かわいいでしょ」

二人の会話が明らかに噛み合っていない。

「か、かわいいとかじゃなくて」

「ほら、つぼみっ」

一瞬でえりかがつぼみが持っているものを掴みとる。

「ちょっと、えりかっ」

その次の瞬間にはえりかが迫っていた。

黒い猫耳のカチューシャを手にとってつぼみに被せようとしている。

「ほらっ」

「えっ、ちょっと」

素早い手つきでつぼみの髪にとめる。

つぼみが自分の手を頭の上に上げるころには、既にそれは装着されていた。

「おぉ、やっぱり似合うね」

「えっ?」

一瞬の出来事に混乱しながら、つぼみが横の鏡を見る。

次の瞬間、つぼみは顔を一瞬で真っ赤にした。

「それじゃ、撮るね」

ピピッ

デジカメの音がつぼみの正面から聞こえてくる。

えりかはつぼみの動揺など気にせずマイペースに撮っている。

「つぼみ」

「な、な、なんですか…えりか」

つぼみが震えながら、なんとか声を出す。

「にゃーって言って」

「にゃ、にゃー・・・」

今日のつぼみはやけにノリがいい。

小さい声でつぼみが恥ずかしそうにしながら言う。

「んー聞こえないなぁ」

「にゃ、にゃんっ」

今度はえりかにはっきりと聞こえる声だった。

「つぼみ、可愛いっ」

そう言ってつぼみの頭を撫でる。

「えりかー」

つぼみが何か言いたそうにしているが、えりかは全く気にしていない。

「つぼみぃ、今は猫なんだからにゃーだけしか喋っちゃだめじゃない」

「にゃうぅ」

嫌がりながらもつぼみはのってくる。

「あ、そうだ」

えりかが何かを思い出したのか、後ろを向く。

その動きにつぼみがぴくんと反応する。

嫌な予感がしたようだ。

「あれ、どこ行ったっけ?」

何かを探しているようだが出てこない。

恐る恐るつぼみが後ろからえりかの様子を見ようとする。

「あっ、あった!」

えりかが持っていたのは猫の手を模した手袋だった。

視界に入っていたのか、つぼみがそれに気づく。

「にゃー!」

つぼみが顔を真っ赤にしている。

律儀に声は猫のまま、えりかを止めようとする。

「うわっ、つぼみ?!」

そのまま、えりかが持っているものをかすめ取ろうとする。

「にゃっ!」

すっかり猫になったつぼみが、手を伸ばす。

「おっと」

しかし、えりかはしっかり動きを見て反応していた。

「つぼみぃ、少しくらい、いいじゃない」

「うー」

つぼみがいる方とは逆の方にそれを隠す。

「にゃっ!」

もう一度試みるが同じように避けられてしまう。

つぼみの顔はすっかりふくれ、顔は真っ赤になっている。

「にゃー!」

「えっ?」

今度は前のとは違っていた。

えりかも方向が自分に向かっていることに気づくがもう既に遅い。

大きな音をたてて、つぼみが見事にえりかを押し倒す格好になっている。

「にゃんっ!」

そう言って、つぼみがえりかにも猫耳をつける。

「ちょ、ちょっと、つぼみ!?」

都合よく横に落ちていたものだ。

怒っているつぼみと、その行動にぽかんとするえりか。

二人とも見つめ合ったまま黙ってしまう。

「にゃ、にゃん?」

えりかが一旦立ち上がろうとして、それに応じてつぼみがどく。

とりあえず、えりかも猫語で話し始めた。

何を伝えたいのかもなんとなく伝わっているようだ。

「にゃん!にゃー!」

大きな声でつぼみがえりかにせまる。

「にゃ、にゃんっ」

「にゃー!」

また、つぼみがえりかを押し倒す。

はたから見たら何を言って何をしようとしてるのかわからない。

二人でじゃれるように近くを転げ回る。

ガチャ

部屋のドアが開いた。

ちょうどつぼみがえりかの頬をつねっているところだった。

「えりか、ちょっといい?」

ノックもせずに入ってきたのはももかだった。

二人が同時にその方向を向く。

猫耳をつけている二人の表情は固まっている。

口をあんぐりと開けている。

「あら、なんだかおもしろそうね」

ももかがにやけながら近づいてくる。

それにいち早く反応したのはえりかだった。

「もも姉、勝手に入ってこないでよ!」

ここではちゃんと話し方が元に戻っている。

「えー、いいじゃない」

「よくないの!」

追い出そうとするが、ももかがひょいと避ける。

「別に減るもんじゃあるまいし」

「減るの!」

うまいことえりかをかわしていく。

「にしても…」

「な、なに?」

ももかの動きが止まる。

「えりか、可愛いわね、その格好」

振り向いて、えりかの頭を撫でる。

「ちょっと、もも姉!?」

いきなり抱きしめられて、えりかが更に顔を紅潮させる。

いつの間にか姉妹の二人だけの世界に入っている。

つぼみはすっかり蚊帳の外だ。

「離してよ、もも姉!」

「いーやー」

なかなかももかも離そうとしない。

意地悪をして楽しそうな顔をしている。

そこにつぼみが近づいてくる。

後ろからなのと、えりかが声を出してるのか、ももかは気づかない。

「にゃっ!」

つぼみが二人の前に出たかと思うと、一瞬でえりかを引っ張って、ももかから引き離す。

「あらら」

相変わらず猫語な点には何も言わない。

つぼみがえりかを抱きしめた状態で、ももかの方をじっと見ている。

「それじゃぁ、お邪魔したわね」

あっさりとももかが出て行く。

「ずいぶん騒がしいわね」

「あっ」

開けっ放しになっていたドアの前にいたのはゆりだった。

「ゆりっ」

すぐにももかがゆりにくっつく。

「二人とも楽しそうね」

いつもの澄ました表情で一言言う。

再び二人の表情が固まる。

何も言わずにももかとゆりが立ち去って行く。

ドアが閉められてもなお、二人の表情は変わらない。

ぽかんとなったままだ。

「にゃ、にゃん」

先に声を出したのはえりかだった。

「にゃぅぅぅ」

えりかは涙目になりながら、つぼみを見上げる。

「にゃ…」

その様子を見たつぼみが、ぎゅうっとえりかを抱きしめる。

優しく頭を撫でで慰める。

「にゃぅ…」

えりかが小さな声を出す。

誰も邪魔の入らない空間で一時間ほどそうしていた。


ハートキャッチプリキュア つぼみ×えりか 「登校」


冬コミで頒布した本の内容です。

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「おはよう、つぼみ」

「あ、えりか、おはようございます。」

いつも通りの登校の風景だ。

「なんだか寒くなってきたね」

「え、そうですか?」

十月も終わりに近づいてきている。

朝一は寒いが、今は日が出てそうでもない。

「つぼみは平気なの?」

「うーん、まだ大丈夫ですけど」

つぼみはあまり気にしていないようだ。

「わっ、えりか」

「つぼみ、あったかいね」

自然な感じにえりかがつぼみの腕に自分のを絡める。

「もうっ、えりか他の人に見られちゃいますよ」

「別にいいじゃん、減るもんじゃないし」

そう言って気にする様子もない。

「は、恥ずかしいですよ」

「恥ずかしいの?」

「うぅ…」

つぼみは顔を赤くしている。

「ねぇ、つぼみ」

「なんですか?」

えりかがじっと見上げる。

「わたしのこと、嫌い?」

「き、嫌いじゃありませんっ」

つぼみが凄い勢いで答える。

「じゃぁ、好き?」

「えっと、えりかは、その…」

少し前の勢いはすぐにおさまっている。

「その、なに?」

「もうっ、えりかの意地悪っ」

怒ったつぼみが、ぷいっとえりかのいない方を向く。

「つぼみぃ」

対照的にえりかは笑っている。

「むぅ~」

むくれたつぼみはなかなか振り向かないが、腕はしっかり組んだままだ。

「私はつぼみのこと、好きだよ」

ぱっと手を離して、つぼみの前に出る。

「え、えりか」

「ねぇ、つぼみは?」

いよいよつぼみも逃げられなくなってきた。

「私もっ」

「わっ、つぼみ」

いきなり、えりかの肩を両手で掴む。

さすがにえりかもこれは予想していなかったのか目を見開いて驚いている。

「わたしも、えりかのこと、好きです」

「う、うん」

突然のつぼみの行動にえりかはたじたじになっている。

二人の顔と顔の間は触れそうな距離しか空いていない。

「えりかっ」

「な、なに、つぼみ?!」

つぼみがえりかの手を取って走り出す。

「ちょ、ちょっと」

ものすごい勢いですぐ近くの脇道に入る。

「キス、したくなりました」

「う、うん」

二人とも顔を真っ赤にして向き合う。

「えりか…」

「つぼみ…」

えりかから目を閉じ、二人が手をつなぐ。

ゆっくりとつぼみが顔を近づけていく。

チュッ

一瞬触れるだけのキス。

一旦離れて、すぐにまた唇を重ねる。

つぼみがいつになく積極的だ。

自分の唇を押し付けるようにキスをする。

「えりか・・・」

満足したのか、つぼみが唇を離す。

「な、なにつぼみ?」

すっかりえりかはつぼみのペースにのせられている。

「大好きです」

「う、うん」

そう言ってえりかを抱き寄せる。

それに対してえりかは大人しくしている。

「ねぇ、つぼみぃ」

「なんですか?」

えりかをぎゅっとしながら応える。

「学校、遅れちゃうよ」

「んーもう少し…」

そう言ってつぼみは解こうとしない。

「もう、つぼみは」

珍しくえりかがため息をつく。

「もうちょっと…」

つぼみがせがむように言う。

えりかもそれ以上は何も言わない。

二人とも目を閉じてぎゅっと抱きしめ合う。

幸いにも路地裏に二人の邪魔をする者は現れない。

「えりか」

五分ほどたった頃につぼみが声をかける。

「うん、そろそろ行かないとね」

抱き合っていた二人が離れる。

「それじゃぁ、いきましょう」

つぼみが手を引っ張って行く。

「あ、その前に」

「なに、つぼみ?」

道路に出る直前でつぼみが止まる。

えりかは突然止まったことに怪訝な顔をする。

「行く前に、もう一回」

つぼみが両肩に手をかけ、一気に顔を近づけて行く。

「う、うん」

えりかもそれにあわせてすぐに目を閉じる。

チュッ

一瞬触れるだけのキスだった。

つぼみはうれしそうな顔をしている。

「行きましょう」

「う、うん」

二人はいつもよりも少し遅く登校した。



ハートキャッチプリキュア つぼみ×えりか 「一緒の勉強」

冬コミで頒布した本の内容です。

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「んー」

「えりかっ」

机を挟んで座っているつぼみが、少し大きめの声で呼ぶ。

うとうととしていたえりかが、はっとなって顔を上げる。

「あれ?」

「あれ、じゃないですよ」

起きて勉強を再開するのかと思ったのも、ほんの束の間。

またえりかの瞼がゆっくりと閉じようとしている。

「えりかったら」

いつものようにつぼみが怒って立ち上がる。

「あ、ごめんごめん」

つぼみが近づいた頃には、えりかはちゃんと目を開けた。

定期テスト前には必ずこんなことを繰り返している。

「ちゃんとテスト勉強しないとだめじゃないですか」

「もう、そんなに怒らなくてもいいじゃない」

えりかは呆れたように言っている。

一方のつぼみは真剣そのものだ。

「はぁ…」

大きなため息が出てくる。

「ほら、つぼみも休憩しようよ 疲れてるでしょ?」

「えりかは、もう…」

諦めたのか、つぼみが元の位置に戻る。

こうやって注意するのを諦めるのも毎度のことだ。

「ねぇ、つぼみ」

「なんですか?」

表情はそのままに、ノートを閉じながらつぼみの方を向く。

「こっち来てくれない」

「はぁ」

えりかが手招きし、つぼみは素直にそちらへ行く。

「ほら、座ってつぼみ」

「今度はなんですか?」

行儀よく、つぼみは正座する。

「ちょっと寝させて、つーぼみっ」

「え、えりかっ!?」

えりかがさっとつぼみの膝を枕に寝る。

「つぼみの膝は落ち着くね」

「もう、えりかっ!」

怒っているような顔をするがつぼみは何もしようとしない。

「それじゃぁ、おやすみ」

えりかが早速寝付こうとする。

「むー」

もうすでにえりかは目をつむっている。

「あ、そうだ」

えりかがばっと起き上がる。

「なんですか?」

じと目でつぼみが答える。

ちょうど二人が向かい合うような形になる。

「おやすみのちゅーして、つぼみ」

「ちゅーってな、なな」

えりかがの顔がニマーとなる。

そのつぼみの反応を楽しんでいるかのようにも見える。

「ほら、つぼみぃ」

えりかが目を閉じたまま言う。

「そ、それじゃぁ…」

珍しく、つぼみが躊躇したりしない。

えりかは、あれ?という表情をしているが何も言わない。

つぼみの手がえりかの頬に触れる。

「つ、つぼみ…」

顔を近づけていくつぼみは無言だ。

軽く、二人の唇が重なる。

向かい合っている二人は動こうとしない。

えりかの手がつぼみの腕をぎゅっと握る。

つぼみの方から唇を離す。

少しばかり短いキスだった。

「えりか、これでいいですか?」

「えっと・・・」

頬を赤くしているえりかがうつむき加減に続ける。

「も、もうちょっと・・・」

言い終えたえりかが顔を上げると、ぴったりと二人の目が合った。

すぐにえりかが目をつむる。

それにあわせて、すぐにつぼみが顔を近づけて行く。

再び二人の唇が重なる。

前とは違って少し押し付けるような感じだ。

二人とも両手を絡ませ合う。

熱い、長いキスだ。

しばらくの間、二人はじっと動かずに唇を重ね続ける。

つぼみの方から離れる。

また前と同じように見つめ合う。

「えりか…」

「つぼみ…」

間近でお互いの名前を呼び合う。

つぼみがえりかを抱き寄せる。

えりかは何も言わずに体を委ねる。

「えりか、あったかいです」

「う、うん…」

顔を真っ赤にしてえりかが応える。

つぼみはとても嬉しそうな、幸せな顔をしている。

「えりか、大好きです」

「わ、わたしも…つぼみのこと大好き」

より一層、つぼみが強く抱きしめる。

えりかは少し苦しそうな表情をしたが何も言わなかった。


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