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けいおん! 澪×梓 「お泊り2」


「んー」

小さな声を出しながら澪が目を開ける。

隣に寝ている梓が起きない程度の小さな声だ。

澪がベッドから起き上がる。

「あれ?」

まだ部屋の中は薄暗い。

時計の針はまだ四時を回ったところだった。

「まだこんな時間か・・・」

そう言って再びベッドに入る。

眠りについている梓を起こさないようにしている。

「んっ」

澪が目を閉じた瞬間に、梓が声を出す。

梓の手が澪のパジャマをつかむ。

すぐに澪がそのことに気づく。

首だけ横に向けてその様子を見る。

声が聞こえてきただけで梓は起きてはいない。

瞼は閉じていて規則正しい寝息をたてている。

「澪先輩・・・」

寝言で澪のことを呼ぶ。

その様子を見て澪がくすっと微笑む。

澪が手を伸ばして梓の背中に触れる。

梓はぐっすり寝ているようだ。

澪が自分の方に引き寄せる。

ゆっくりと二人の距離が縮まる。

澪自身も近づいていく。

ちょうど澪の胸のあたりに梓の頭がおさまるような形になる。

寝始めたころとほぼ同じような状態だ。

空いている方の手で梓の髪を撫でる。

梓は相変わらず気持ちよさそうに寝ている。

ゆっくりと、起こさないようにおろした髪を撫でる。

丁寧に撫でているからか全く起きる気配はない。

「お姉ちゃん…」

「えっ?」

小さな声で梓がそう言っていた。

目は閉じているので寝言だ。

「ん…」

澪が思わず大きな声を出したために、梓が起きてしまった。

「あれ…」

澪とほぼ同じ高さの目線でぼうっと梓が見つめる。

「お、おはよう」

「あ、おはよう…ござ…」

起きたばかりでまた眠りについてしまいそうになる。

梓が再び目を閉じる。

「あ、あずさ」

澪が何か言いたげな表情をしながら名前を呼ぶ。

「んー」

梓からも何か声が返ってくるが、目を開けようとはしない。

寝返りをうって反対側を向いてしまう。

澪はどうしたものかと考えている。

そっと梓の肩に手をかけ、起こそうと肩をゆする。

「ううん…」

すぐに反応して、澪の方を向き起き上がる。

「ん…あ、おはようございます。」

今度は最後まで言った。

「おはよう、梓」

だが、また梓はうつらうつらとなってしまう。

「なぁ、梓」

そう言い切った瞬間にはまた梓は目を閉じてしまっていた。

ただ、今度は目は閉じただけで座ったままだ。

澪が少しゆするとすぐに目を開けた。

「澪、お姉ちゃん?」

「お姉ちゃん?」

思わず澪が同じ言葉を繰り返す。

「はっ」

梓が言われてはっとなる。

「あ、あの…」

「あ、あずさ」

澪が恐る恐る口を空ける。

「ちち、ちが…」

「もう一度言ってくれないか?」

澪が遮るように言う。

「へ?」

思わず梓が目を見開く。

「えっと...澪、お姉ちゃん?」

おそるおそる梓が言う。

顔を赤らめながらうつむき加減に澪の方を見る。

澪は何か感慨深そうな顔をしている。

嬉しそうな表情だ。

「あの…」

何も反応がこないからか梓が困っている。

「あ、あぁ…ごめん、梓」

「はぁ…」

梓が小さなため息をつく。

「あの…」

「あぁ、まだ早いから寝ようか」

なぜか澪が慌てている。

我に返って、梓に言わせたことを恥ずかしがっているようだ。

「そ、そうですね」

梓もそのペースにつられてさっとベッドに入る。

二人とも完全に黙る。

部屋の中は冷え込んでいる。

「あの、先輩」

「なんだ梓?」

二人の距離は少し空いている。

「寒いので、そっちに行っていいですか?」

向き合った形で二人は横になっている。

「あぁ、いいぞ」

澪の返事に梓は嬉しそうな顔をする。

衣擦れの音を出しながら梓が寄っていく。

二人は直接触れ合ってはいない。

お互いの体温が感じるほどの距離だ。

「あの、もう一つお願いしてもいいですか?」

「あぁ、なんだ?」

梓の声が前よりも小さくなっている。

「ぎゅってしてください…」

すぐに澪は返事をしない。

「あぁ…」

澪の返事も梓のように小さい。

「こう…か?」

そっと背中に手をかけて梓を抱き寄せる。

「は、はい」

二人の体が触れ合う。

「あったかいです」

「ずっとこうしてたいな」

さらにぎゅっと抱きしめる。

「せ、先輩苦しいです」

「ご、ごめん、梓」

澪が手を少しゆるめる。

「なぁ、梓」

「なんですか?」

おそるおそる澪が口を開く。

「二人でいる時はお姉ちゃんって呼んでくれないか」

「はい…」

梓はすぐ返事をするが、まだ先輩と呼んでいたころの口調だ。

「お、お姉ちゃん」

「梓…」

二人とも嬉しそうに呼び合っている。

「澪お姉ちゃん」

「あずさ」

何度もお互いを呼び合う。

澪が梓の髪をゆっくりと撫でる。

そうしているうちに梓が寝てしまった。

やすらかな、気持ちよさそうな寝息をたてている。

梓の様子を見て澪がくすっと笑う。

澪も少しして目を閉じる。

抱き合ったまま二人は眠りにつく。

二人ともとても幸せそうな顔をしている。

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けいおん! 澪×梓 「お泊り1」

「ふぁー」

梓が大きなあくびをする。

「梓?」

その声に澪が反応する。

梓はうつらうつらとしている。

今にも寝付いてしまいそうだ。

「あーずさ」

呼びかけるように近づいて言う。

しかし、梓の耳には届いていないようだ。

少し前のめりになったり戻ったりを繰り返している。

今日は澪の家に泊まりに来ている。

少しずつ近づいていって澪が手を伸ばす。

そっと梓の頬に触れる。

「ひゃっ!?」

小さな声で澪の冷たい手に反応してびくっとなる。

「あ、梓?」

「す、すいません、澪先輩」

すっかり梓の目は醒めたようだ。

「大丈夫か、梓」

「だ、だ、大丈夫です、澪先輩」

澪の顔が梓の間近にせまっている。

梓の顔が真っ赤になる。

「どうした、梓?」

「な、なんでもないです」

心配そうな顔をしながらさらに近づく。

「顔が赤いぞ、風邪か?」

「か、か、風邪じゃないです」

相変わらず梓の顔は赤くなったままだ。

「もう遅いし、寝ようか」

時計を見ながら梓から離れる。

「え、あの…まだ…」

時計の針はもう十時を回っている。

そちらの方を見て梓はそれ以上言わなかった。

その様子を見て澪が立ち上がる。

「ほら、梓」

座っている梓に手招きをする。

「あ、はい」

立ち上がってベッドの方に歩いて行く。

梓がベッドに入る。

「おやすみ、梓」

「おやすみなさい、先輩」

澪が電気を消して部屋が暗くなる。

だが梓の瞼は閉じていない。

暗くなっているからか、その様子は澪に見えていない。

澪は隣に敷いてある布団に入って目を閉じる。

ふたりとも何も話さないからか、部屋は静かだ。

澪は目を閉じて静かな寝息をたてている。

電気が消えてから十分ほどたった。

梓がベッドの中で動いて衣擦れの音がする。

「梓、眠れないのか?」

澪が眠そうな声で聞く。

「あ、はい」

それとは対照的に梓がはっきりとした声で答える。

まだ二時間以上は起きていられそうな声だ。

だが、二人の会話は続かない。

澪は何を話そうかと思案しながら眠気と戦っている。

梓の目はぱっちりと開いている。

沈黙を破ったのは澪だった。

「梓、部屋、寒くないか?」

「えっと、大丈夫です」

それ以降二人はまた黙ってしまう。

再び沈黙が訪れる。

時より体を動かして出るわずかな音が聞こえる。

二人共寝ようとしているようだ。

だが、二人共寝つけていない。

澪が一分おきくらいに目を開けて何か思案してを繰り返している。

10回くらい繰り返した頃だ。

澪があまり音を立てないように立ち上がる。

起きている梓は当然気づいている。

ゆっくりとベッドの方に近づく。

梓は反対方向を向いて寝ている。

澪から見て梓が起きているかどうかはわからない。

「な、なぁ、梓」

聞こえるか聞こえないかギリギリの小さな声で呼びかける。

すぐに返答は返ってこない。

「なんですか、澪先輩」

こちらも同じように小さな声だ。

梓が澪の方を向きながら答える。

「やっぱり部屋、寒くないか?」

「え、そうですか?」

澪の声は変わらず小さいままだ。

「そ、そうか」

梓は起きている時のいつもの声だ。

「あ、あのさ」

「はい」

梓の声がすぐに返ってくる。

「ちょっとお願い聞いてくれないか?」

「はい、なんでしょう」

その返答を聞きながら澪が立ち上がる。

「そっち、行っていいか?」

「へ?」

予想していなかったお願いに、梓の声が裏返る。

梓は何も言わず、澪はそのまま答えを待っている。

「澪先輩?」

「えっと…」

澪は次の言葉に困っている。

もじもじしている様子は梓からは見えない。

「だ、だめか?」

「い、いいですけど…」

澪はベッドのすぐそばに来ている。

その答えにほっと一息する。

「それじゃぁ」

「あ、はい」

澪がベッドに入ってくる。

「悪いな、狭くないか?」

「え、いえ、大丈夫です」

二人の距離は少し空いている。

また二人とも黙ってしまう。

見つめ合ったまま一緒のベッドに入っている。

暗闇に目が慣れているので、相手の顔はしっかり見えている。

澪が梓の方に寄っていく。

それに対して梓は全く動かない。

少しずつ、梓の顔が赤くなっていく。

同時に心臓の鼓動も高鳴っている。

「あの、先輩」

「なんだ、梓?」

もう澪は間近に来ている。

問いかけられて澪は動きを止め、二人は至近距離で見つめ合う。

「なんでもないです」

「そ、そうか」

二人の距離はほぼゼロになる。

澪が、梓の肩に手をかけて自分の方に寄せる。

「あ・・・」

梓が小さな声をあげると同時に二人の体が密着する。

「こうすると温かいだろ」

「は、はい」

澪の胸に顔をうずめながら梓が答える。

「おやすみ、梓」

「おやすみなさい」

澪が抱き寄せる力を強くする。

「せ、先輩、くるしい・・・」

「ご、ごめん」

すぐに手の力を緩める。

二人の会話が終わる。

先に澪が、少しして梓が寝付いた。

二人共気持ちよさそうな顔で目を閉じていた。

満ち足りた表情をしている。

「お姉ちゃん…」

梓が寝言を言う。

夢の中でも澪は梓のお姉ちゃんだった。





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